院長の整体新書 – 整体ブログ –

体の歪み・傾きと左右の足の長さの違いについて

  • カイロプラクティック

ウエストや肩の高さが左右で違う。

パンツの裾丈が左右で違う。

などの様に「体の歪み」を自覚している方は珍しくありません。

また、整体などでも「足の長さの左右差」を1つの指標にする場合もあります。

今回は、体のゆがみの代表的なものでもある「足の長さの左右差について」です。

この記事は約3分で読み終えることができます。

足の長さの左右差

左右の足の長さが違う原因

以下の二つに大別することが出来ます。

・足の付け根から足先までの「純粋な足の長さ」が左右で異なるケース。

・足の付け根から足先までの長さは同じだけど「体の歪みによって」左右差が生じているケース。

前者の場合には

・成長期の骨端軟骨部の骨折(成長期に存在する骨の両端にある伸びしろ部分)

・股関節の変形などにより骨が扁平化している場合

・すねが彎曲している場合

などが考えられます。

言われたら当たり前に思われる方が大半だと思いますが、この2つの異なるケースを「足の長さの左右差は治る」というように混同されている方も多くいます。

前者の場合には、残念ながら「治りません」。

足の長さが左右で異なるということは、上半身も傾く・歪むということになります。

インソールなどで物理的な左右差を埋めることも場合によっては必要になります。

後者の「体の歪みによって、足の長さに左右差を生じているケース」では正しい施術によって改善が望めます。

理由は、「関節部分が変わる」からです。

↓の図を見て下さい。

長さが変わるのは、関節部分の「詰まり」「捻じれ」などを改善するからです。

これも当然ですが、「骨の長さが変わる訳ではない」です。

「そんなに弱い力で歪みが正せるのですか??」

というご質問を受けることが稀にあります。

理由は、この通りです。

背骨も足もそうですが、「骨の長さではなく関節を変える」ことが、体の歪みや足の長さにおける左右差の改善には必要不可欠です。

足の長さの左右差は異常なのか

これには以下の2つの事を考慮する必要があります。

・「土台が傾く(足の長さが左右で異なる)と上半身が傾く」というハード面の問題。

・足の長さが左右で異なるということは、神経の働きにも左右差が生じているだろうと考えるソフト面の問題。

前者のハード面だけを考えている先生の場合には

「足の長さが左右で違うのは誰しもがそうなので、気にする必要はない」

という様に評価されます。

もしくは、営業トークで「足の長さが左右で違うと骨盤が歪んで・・・」という様に過度にその点にフォーカスされている場合もあります。

つまり、あなたもそのどちらかの様な説明を受けた経験があったり、これからあるかもしれません。

でも本来は、「足の長さの左右差は」後者を見る為の1つの指標に過ぎません。

【それ以下でもそれ以上でもなく、ただの1つの指標なのです。】

従って、「足の長さの左右差に関して」過度に否定したり、過度に肯定したりするようなものではありません。

因みに、歪みが引き起こす、一番のデメリットは「代謝が低下する可能性がある」ということです。

その点については↓の記事をご覧下さい。

「良い姿勢」が推奨される外見以外の理由とその方法について

足の長さの左右差が、神経の左右差を表している理由

私達の体は、

脳から脊髄(背骨の中)、各関節や各筋肉、各臓器。

へと指令が送られています。

椎骨と脊髄、脊椎神経の図

逆に、各関節や各筋肉、各臓器からも必要な情報が脊髄(背骨の中)、脳へと伝わっています。

脊椎神経と椎間孔の位置関係

このように終わりのないループが続くことで生命活動を維持している訳です。

代表例で言えば、あなたの足首や足の指がスマホやPC画面を見ている今現在、曲がっているか伸びているかは「改めて目で見るまでもなく」自覚出来るハズです。

これは「関節位置覚」という感覚が上記の回路を介して脳に伝わっているからこそ分かることです。

また、特別意識しなくても、ある程度の時間が経てば「体が勝手に足首や指の角度を変えて固まらないようにしている」と思います。

これは、逆に脳から足首や足の指に伝わる回路を介して行われています。

話を戻します。

前述の通り、改善可能な体の歪みは「関節で起こる」訳です。

本来は、脳から各関節、各関節から脳に伝わる「ループの過程の中で」、正常化されているハズだし、されているのが望ましい訳です。

でも、されていない。

だから、結果として歪んでいる。

その1つが「足の長さの左右差」ということになります。

そこを踏まえて、「足の長さの左右差が正せた」ということは、

・関節から脳に伝わる回路

・脳から関節に伝わる回路

の両方の働きが改善し、「体にとって良いループ」になったのではないか?という様に判断します。

従って、極論ですが「左右の足の長さが異なる死体に対して」同じことを施しても足の長さは改善しない訳です。

理由は、「脳が生きていない」からです。

左右の足の長さを整えるには

ここまで説明してきた中で、「力任せで整える訳ではないのだな」というご理解が頂けていたら嬉しいです。

ポイントは、物理的な力で戻す意味も必要もないという点です。

なぜなら、力で物理的に歪みを正すのではなくて、あなたの脳を介して正すように促すだけで十分だからです。

力任せは、リスクを伴います。

整体やカイロプラクティックが危険と言われる理由がここにあります。

正統派のカイロプラクティックでは、力任せはご法度です。

「弱い力であなたの脳に刺激を到達させるにはどうするか」

・適切な関節に対して刺激を入れる。

・適切な方向に対して刺激を入れる。

・適切な深さに刺激を入れる。

ということが必要です。

提供側のこれらに対する理解が曖昧だと成果が出にくい。

結果が出ないのは刺激が弱いからだと考えて力任せになる。

結果、本末転倒で成果は出ない。

というケースが経験上多いように思います。

因みに、あなたの脳を介してあなた自身が正そうとしてくれるから「根本治療」になる訳です。

適切な矯正の為に必要な検査

↓背骨から出る神経の温度の左右差をチェックします。

左右差があるから異常ではなく、左右差がある中で特にどこの左右差が大きいのか?をみていきます。

ナーブスコープ検査

関節の状態を

・静止状態

・動かした状態

で触診していきます。

・深さ

・捻じれ度合い

・傾き度合い

を把握することで、矯正の際の方向や深さ、角度を決定します。

背骨の触診

レントゲン検査では、これらは分かりません。

但し、レントゲン画像でないと「骨の変形度合い」は分かりません。

レントゲンを見ながらの説明

背骨も積み木と同じで、1つ1つが綺麗な形の骨が積み重なっていれば、「真っすぐ上に積み上がる」訳なので、姿勢は改善しやすくなります。

反面、1つ1つの背骨が変形して「台形」のようになっていたらどうでしょうか。

台形を積み重ねても、「不安定」ですよね?

パンケーキを背骨の歪みに例えた

従って、1つ1つの背骨が変形していれば、その分だけ歪みを正すことは難しくなります。

つまり、足の長さの左右差を正すことも困難になります。

足の長さは一度揃えたら持続するのか?

半永久的には持続しません。

なぜなら、私たちは生きているからです。

体には、恒常性を維持する機能(ホメオスタシス)が備わっています。

歪むことが悪なのではなくて、歪むことで「体を守っている」ことにもなるのです。

様々な動作の中で、歪まなければ「伸びて傷んでしまう筋肉」もあるでしょう。

歪まなければ、「捻じれてしまう神経」もあるハズです。

それを守る為に、歪ませて「順応させている」訳です。

だから、歪むことは決して悪いことではありません。

問題は、「歪んだまま何か月も何年もいてしまう」ことなのです。

理由は、「変形を助長させたり」「体の偏りを強めてしまう」からです。

だから、歪んでも良いから「歪んだままにしないで下さい」という事を当院ではお伝えしています。

ご自分で正せるエクササイズはお伝えします。

でも、コンスタントにそれを実践できる方ばかりではないと思います。

出来ないのならば、定期的に正す。

もし、あなたが半永久的に歪みのない体にしたいのであれば、これしか方法はないと考えています。

以上、今回の記事が、あなたの健康な生活において何かお役に立てれば幸いです。

矜持整骨院
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