脇腹・胸の痛み
ぎっくり腰。
経験がある方も無い方も一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
「寝返りも痛い」
「咳やくしゃみの際には激痛」
実はぎっくり腰に似たような症状が脇腹や胸に起こる事もあります。
今回はそのような症状についてです。
この記事は、およそ2分くらいで読み終える事が出来ます。
何が傷んでいて痛むのか??
これは、腰であっても同じですが「何が傷んでいるのか??」によって治療法や経過が変わってきます。
・骨
・関節
・筋肉
・内臓
ぎっくり腰・ぎっくり背中・ぎっくり脇腹という病名はありませんが、「動けない位、痛い」状態の場合には大きく分けて以上の4つが考えられます。
この中で、命に関わるかどうか?という視点で考えると内臓・骨の2つは、筋肉や関節の比ではありません。
例えば心臓の関連痛で背中が痛ければ、人命に関わります。
また、悪性腫瘍が骨に転移していた場合も同様です。
これらは、腰・背中とどちらの場合にも考慮する必要がありますが、問診や(必要であれば)レントゲンをはじめとした画像検査で判断します。
それらとは別に「脇腹・胸」でいうと【肋骨のヒビ・骨折】も考慮する必要があります。
なぜなら、関節や筋肉の問題であれば診させて頂く側の力量次第な部分があります。
※肉離れや筋肉の断裂などは別。
しかしながら、ヒビ・骨折の場合にはそれを改善させる方法というのは存在しないからです。
肋骨骨折はどのようにしたら分かるのか??
①傷めた経緯やその後の自覚症状の経過、どのような場面で痛むかなどの問診
②痛むのが骨の上なのか筋肉なのか
③傷んでいると推測される骨の離れた部分に刺激を加えて痛みが誘発されるか
④肋骨は籠のような作りなので、籠自体に刺激を加えて患部に痛みが誘発されるか
⑤レントゲン検査
大方、肋骨骨折・ヒビが疑われる場合にはこの手順を踏むことで判断することが可能です。
骨折・ヒビが疑われる際に多くの方にとってまず頭に浮かぶのはレントゲン検査でしょう。
しかし、レントゲンで判別できない骨折・ヒビも存在する事をご理解下さい。
特に肋骨の場合には、肋骨に囲われている内臓などと重なってしまったりして、判別困難なものが珍しくありません。
これは、肋骨骨折・ヒビに限ったことではありませんが、レントゲン検査はあくまで一つの検査に過ぎません。
「レントゲンで大丈夫だから」
「レントゲンでダメだから」
ということではない事をご理解下さい。
どんな症状があったら肋骨を疑うべきか
・深呼吸で痛い
・笑うと痛い
・咳やくしゃみで痛い
・寝返りが痛い
・体を捻ると痛い
・骨の上を押すと痛い
(左右比較して、例えば左に比べて右が痛いなど)
私自身も経験がありますが、患者様からもこのような症状を伺うことが多いです。
また、肋骨骨折・ヒビの場合には【ご自分でいつやってしまったのか分からない】方もいます。
直後から激烈に痛むというよりも数時間後、もしくは翌日・翌々日にかけて上記のような痛みが増して来る事があります。
私個人の話をさせて頂くと、私は治療の勉強会でお互いに不慣れな治療を練習し合っていてなったと推測されます。
勉強会中は何の違和感もなく、電車に乗って帰宅途中に若干の痛みを感じました。
帰宅後も多少の痛みはあれど日常生活には全く支障はありませんでした。
翌日、深呼吸・咳やくしゃみ・笑うと思わず手で患部を抑えないとならない位の痛み。
翌日の夜、痛みでべッドに横になる、寝返りが一苦労。
というような流れでした。
原因は、咳やくしゃみであったり、ゴルフスイングのような捻じりでも起こります。
「そんなことで!?」とお思いの方もいるかもしれません。
しかし、20代や30代などの比較的若い世代でもこういった理由から起こる事は十分あり得ます。
肋骨骨折・ヒビだったらどうすれば良いの?
肋骨は左右12対で計24本あります。
この内の複数本が骨折している場合には(折れ方によりますが)肺の働きに異常を来たす可能性があります。
その為、入院が必要になる場合もあります。
また、折れた肋骨が内面に向いてしまった場合には内臓を傷つけてしまう恐れがあるのでこちらも入院が必要でしょう。
但し、このようなことは
「交通事故」「高所から転落」などのように余程の事が無い限り、起こる可能性は低いでしょう。
そういった方であれば、このブログを読むまでも無く病院へ搬送される可能性が高いと思いますので、こちらの詳細については省略させて頂きます。
通常の肋骨骨折・ヒビの場合、正直に申し上げると明確に効果のある治療法はありません。
①バストバンドで抑える。(胸に巻くコルセットようなもの)
②痛み止め
③患部への負担を軽減する為に近隣の関節・筋肉の働きを高める。
骨折やヒビの場合には、その断端部分のブレを防ぐことにより痛みの軽減が期待出来ます。
しかしながら、
肋骨の場合には「傷んでいる1本だけを抑えるのが困難」であること。
呼吸で動いてしまうこと。
寝返りなどを防ぐことは困難。
なことから【上記の3つをしたとしても】さほど変わらないというのが実情だと思います。
【痛むので辛いけど、極力痛い動作を控えれば2週間で良くなる】
治療家としては大変心苦しく、やるせない気持ちになるのですがこれがお伝え出来る現実です。
背中・胸が痛む際にまず考えて欲しいこと
今回、あなたに知って頂きたいのは「背中が痛い」「脇腹が痛い」方の中には「肋骨骨折・ヒビの場合もある」ということです。
あなたが、然るべき専門家の元を訪ねて頂ければ前述の通り見逃される可能性は低いと思います。
しかしながら、「どこを選ぶか??」は専門家ではないあなたの判断に委ねられています。
「背中が痛いからマッサージでも行こう」
専門知識の乏しいマッサージを選んでしまったらどうなるでしょう。
もっと言えば、専門知識のない整体・カイロ・整骨院の先生を選んでしまったらどうなるでしょう。
背骨と肋骨は背中部分で連結しています。
こっているからだと、擦れば直接肋骨に刺激がいくし、押せば背骨が「しなる」ことで間接的に肋骨に刺激がいきます。
背骨の歪みのせいだと矯正されたらその刺激は肋骨にどう影響するでしょうか・・・
当然、こっているかどうかというレベルの話ではないので改善はしません。
歪みは、ヒビが入りやすい原因の一つにはなり得るかもしれません。
でも、歪みを正しても骨はくっつきません。
酷くなる場合もあり得ます。
是非、あなたの健康な日常生活の一助になれるような情報だったら嬉しく思います。
以上、患者様を診させて頂いている立場の人間として改めて肝に銘じなければいけないなと自分への戒めも含めた内容でした。
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