カイロプラクティック(Chiropractic)とは、何なのか??
大前提として「カイロプラクティック(略して、カイロ)」について理解している人は多くの方が思っているよりも”圧倒的に少ない”です。(医療従事者はもちろん、整骨院や鍼灸など医療類似行為者、スポーツトレーナーを含めても)理由は以下で述べるのですが、「カイロは危険」「カイロは怪しい」この記事がそんな誤解を解く、一助になればと考えています。
なぜ、そのような事が起こるのか?
発祥の地であり法制化され、博士課程で学ぶアメリカと異なり、日本では源流に近いものを学べる場所、学び続けられる場所がほぼ存在しないからです。源流から学んだものをカスタマイズして患者様にご提供するのと、カスタマイズされたものを学び、それを更にカスタマイズしてご提供するのは違うと私は思います。私はアメリカで学んでいないので純粋なカイロプラクターではありません。なので、2011年から月3回、最低でも月に1回はアメリカで学ばれたカイロプラクターから継続して学び、それ以外で柔道整復師以上の基礎医学を自主学習することで、(カイロプラクターとしては決して同じ土俵には立てなくても)それで対価を頂いている以上、日本国内における差を埋めようと生活しています。
カイロプラクティックって何??
『難聴の方に対して、背骨の出っ張りを押したら、難聴が回復した』
この一件について解明を進めたものがカイロプラクティックです。
例えば、あなた自身のポテンシャルはあるのに環境の問題でそれを発揮し難い状況にいると仮定します。あなたご自身が環境に合わせるように試みることももちろん重要でしょう。でも、環境を変えるだけで「あなたご自身は変わらなくても」ポテンシャルが開花するケースもあるでしょう。
「体の各器官(各部分)のポテンシャルを最大化する為に体内の環境を正常化しよう」というのがカイロプラクティックです。
前述の耳の件でいくと、耳自体に異常はなくても音を自覚する脳の部分(聴覚野)に至るまでの過程に不具合があった可能性が考えられます。背骨を押すことで、関節付近にある圧覚(圧迫されると働くセンサー)関節位置覚(関節の状態を脳に伝えるセンサー)や近隣の筋肉(腱)にある筋紡錘や腱紡錘という筋肉の伸び具合やその瞬間的なスピードを感知するセンサーが発動し、それを脳に伝えることになります。
脳はボトムアップ式に情報収集をしているので、それらのインプット情報を基にプログラムを書き変えた結果、アウトプット情報としてのアクションが変わった為に聴力が回復したと思われます。
これを簡単に言うと「カイロプラクティックでイネイトインテリジェンスを働かせる」「カイロで自然治癒力を高める」と表現され、中には怪しさを感じる人もいるのではないかと思っています。
カイロプラクティックにも種類がある
カイロプラクティックにも「AかBか」の二択では分けられない面もあります。源流が同じでも、人間が提供している以上は提供する側の持論や生活状況、目標等の影響を受けざるを得ない面があるからです。ポジティブに言えば進化もあり得るでしょうし、ネガティブに言えば別物に変化、ということも起こり得ています。同じ教育を受けた兄弟でもその後が異なる様に、「同じカイロプラクティック」でも中身も結果も当然、変わります。でも、それはカイロプラクティックに限ったことではないと考えています。
カイロプラクティックは危険なのか??
結論からいうと「提供者次第」です。カイロプラクティックの代表的な手技に「アジャスト(メント)」=「矯正」があります。技術は、人間付き合いと同じでマニュアル通りにいきません。本来は「体の状態を判断する」過程の後に、然るべき矯正の方向や深さ、テクニックの選択がされるものです。でも、人付き合い同様に「体の状態を判断する技術」においても1から10まで手取り足取り習えるものではありませんし、いつも正解が出せるとも限りません。最悪、暗記すれば良いマニュアルとは違うので、思慮深さに欠け、融通が利かない提供者の場合には「あなたの現状の体に合っていない矯正をしてしまうので」危険なことも当然あります。とはいえ、時には移動手段である車やコミュニケーションツールであるSNSが凶器となり得る様に、これもカイロプラクティックに限ったことではありません。
矜持整骨院のカイロプラクティック
前述の通り、私は純粋なカイロプラクターではありません。ネガティブに言えば”偽物”、ポジティブに言えば”だから出来ることもある”という両面があると私は考えています。患者様の改善過程においてカイロプラクティックの哲学や科学には心を打たれるものがあります。金銭面や語学面・学習量の面で多大な苦労をして異国の地で学ばれてきた方、今も源流の提供にこだわりながら患者様を救えている方に対しても大きな敬意しかありません。でも、私はカイロプラクティックが全てだとは考えていません。「出来るけど患者様の状態によって他の方法を選択する」のと「出来ないから他の方法を選択する」のは別物だと考えているので、一治療家としてカイロプラクティックを今も尚学び続けています。
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