肩こりの真実と首を回すエクササイズのメリットとデメリット
関節や筋肉の症状や異常において「とにかく、これをすれば良い」というものは存在しません。なぜなら、基になる体のコンディションや状態は全員・その時々で異なるからです。この記事が全ての方法が正解にも間違いにもなり得ることをご理解頂く一助にとれば幸いです。
肩こりで首を回すメリット
端的にいうと肩こりは「血行不良」です。筋肉の物理的な役割は「筋肉両端の骨を動かす」「その間隔を保つする」こと。どちらの場合にも筋肉を使うとその産物として老廃物が発生します。それを血液に乗せて(静脈)肺での呼吸を介し、浄化して再利用する(動脈)のが所謂「循環」です。首を回すことは、このサイクルを促すメリットがあります。
肩こりで首を回すデメリット
首を回すには、「首の骨7つの共同作業」です。でも仮に、1/7の骨がズレていたとすると7つで行っていた動きを残りの6つで代償することになります。当然、1つずつの動きは大きくなるのでデメリットとして不安定になります。運よくズレている骨が「首を回す」ことで戻れば良いです。でも、戻らなかったら「自ら不安定にしている」→「筋肉への負担を強めている」→「肩こりを慢性化させている」ことになります。
首を回すことのリスク
首には「前後に倒す」「左右に倒す」「左右を向く」という3種類の動きがあり、これらを組み合わせたものが「首を回す」動きです。この内「首を回す」「後ろに倒す」組み合わせが、最も首の血管に良くない動きになります。肩こりの循環を促す方法は「首を回す」以外でも代替可能なので、敢えて首を回すことで脳に行く血管をリスクに晒す意味が無いと考えます。
「肩こりは血行不良」その原因は?
こりを感じている筋肉が、相対する筋肉と比べて「伸ばされた状態」「弱化した状態」なので、表層の筋肉と深層の筋肉間のスペースが無くなっていること(両層間で個別に滑らないこと)が原因です。つまり、「こりを感じている筋肉と相対する位置にある筋肉を伸ばす・柔らかくする」ことが必要不可欠になります。
肩こりで「押して痛い」のは別問題
こりや硬さを探す触診は技術です。「ご自分で押して痛い」「こりを探すことを大前提としたマッサージの人が押すと痛い」場合には、言葉を選ばずに言うと「粗探し」に近いと考えます。医学的に言うと神経が走行している上を押すと「どんな人でも押す圧と個人の感度の相対的な関係によっては痛いハズ」なのです。弱い力で押しても痛い場合には「層の間のスペースが狭くて内圧が”パンパンに”高まっている状態”」なので前項で述べたことを行うべきです。
「押して痛いから硬い→押して痛いからそこをほぐす」
それは医療ではなくて慰安です。体を触れることで対価を頂くならば医学的見地があって然るべきだし、医学的見地を持っているならば相応の正義を基に患者様に相対するのが最低限の責務であり矜持だと考えています。
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