ぎっくり脇腹の対処法とその後について
全て、正式な病名ではありませんが【瞬間的な動きで傷めたものを】傷めた部分によって
・ぎっくり腰
・ぎっくり背中
・ぎっくり脇腹
というように呼ばれることが一般的です。
今回は、この中でもぎっくり脇腹について述べていきます。
この記事は、約2分で読み終える事ができます。
ぎっくり脇腹は治るのか?
結論からいうと必ず治ります。
瞬間的な動きによって、筋肉・筋膜・関節包・靭帯などが傷んでいます。
基本的には、傷んだ組織は時間をかけて修復されます。
その修復過程において炎症が起こり、その際の対応によって日常生活に支障をきたすような程度の痛みが出ます。
傷んだ部分には、直後から「線維化」という現象が起こります。
線維化の程度によっては後の回復具合に支障を来たす場合があります。
この「線維化を防ぐ為に冷やすこと」が重要になります。
詳しくは、次項にて述べていきます。
また、炎症が過ぎて傷んだ組織の修復が進むと「癒着」という現象が起こります。
傷めた組織に隣接する筋肉・筋膜・関節包・靭帯などがくっついてしまい、これも線維化と同様に回復具合、再発防止の点からみても支障を来たす場合があります。
この「癒着を防ぐ為には、動かすこと」が重要です。
この点に関しても、次項で詳しく述べていきます。
ぎっくり脇腹の改善において重要なことは
【自然に修復されていくことを邪魔しない且つ、修復の阻害因子を潰す】
【炎症の痛みを最小限に抑える】
の2点が重要になります。
「数十年前、数年前のぎっくり以来、痛みが出始めて・・・」
と初めてご来院の方から伺う事がございます。
前述の2点に留意して正しい処置を施せば、このようになることは理論上、経験上有り得ません。
その正しい処置について以下に述べていきます。
ぎっくり脇腹になってしまったら
・冷やす
・痛みの増す動き、傷めた際の動きを可能な限り控える
・痛みが増さない動きは制限しない(過度に安静にしない)
ことをお勧めします。
逆に、ぎっくり脇腹の際に避けた方が良いことはこの3点と真逆のことになります。
・温める
・無理して動く
・過度に安静にする
これらをすると、本来であれば遅かれ早かれ治るはずのぎっくり脇腹の症状を引きずることになります。
何らかの要因で組織を傷めると前述の通り「炎症」が起こります。
「炎症の情報」は、神経を伝わり背骨の中にある「脊髄」まで伝わります。
そして、脊髄を介して「防御的な意味合いから反射的に周囲の筋肉が硬くなります」。
そうなると、「交感神経という自律神経の働きが活発になり、筋肉の血流が低下します」。
血流が悪くなると流れが淀んだ川の様に、血液(川で言えば水)の「質」が悪くなります。
すると、発痛物質という「痛みを引き起こす物質」が産生されます。
これによって、前述の「防御的な意味合いから反射的に周囲の筋肉が硬くなります」という過程からの反応を繰り返す「負のサイクル」に入る恐れがあります。
◎「冷やすこと」で、「炎症自体」を長引かせない・悪化させない。
◎「関連した部分の背骨の矯正をすることで」、脊髄を介して起こる「回復におけるネガティブな反応」を抑制する。
ことで、前述の「負のサイクル」に入れない、一早く抜け出せる状況を作ることが当院における施術の概要です。
ぎっくり脇腹の症状
・深呼吸で痛い
・咳やくしゃみで痛い
・体を捻ると(振り向く動作が)痛い
・万歳姿勢をすると痛い
このような症状を訴えることが起こり得ます。
ここで注意が必要なのは、
脇腹にある【あばら骨・肋骨】のヒビや骨折がないかどうかです。
ぎっくり脇腹と似たような症状が出るために、この見極めは必要だと考えます。
その見極めは、レントゲン検査が一般的ですが内臓と重複してしまったりしてレントゲン検査で写らない肋骨のヒビ・骨折もあります。
(肋骨に限ったことではありませんが)レントゲン以外の触診を含めた総合的な判断によって、傷んでいる組織が骨なのか、骨以外なのかを見極めることになります。
帯状疱疹と脇腹の症状について
年に数回、脇腹の症状でご来院の方で帯状疱疹のケースがあります。
↑の様に(肋骨と肋骨の間を走る)神経に沿って痛みや発疹が出ることがあります。
※この神経は背中から胸やお腹の方まで伸びています。
当然ながら帯状疱疹なのに筋肉や筋膜の治療をしても意味がありません。
タイミングによって判別が難し場合もありますが、まずはご自分の痛い部分を目視で確認して下さい。
見慣れない発疹が出来ている場合には、まずは皮膚科を受診しましょう。
当院では、帯状疱疹が疑われる場合には「肌を直接、目で確認しないと分からないので」場合によっては検査着に着替えて頂き、直接確認させて頂きます。
ぎっくり脇腹の治療
肋骨のヒビや骨折だった場合には、手で施すことはほぼ無意味だと考えます。
但し、骨の問題ではない場合には手で施す治療を受けられた方がより早期に、確実に症状の改善に繋がると考えます。
前述の通り、【自然に修復されていくことを邪魔しない且つ、修復の阻害因子を潰す】ことが重要です。
そのうえで、【その修復を促すように傷んでいる組織、傷口が寄るような状態をを作る】ことを行います。
例えば、【体を左に捻った際に右側の脇腹を傷めたとします】
このような場合に、
・体を左に捻った角度
・体を右に捻った角度
を比較すると、左右差を生じていることがあります。
※既にぎっくり背中の状態では、痛みや傷んでいる為に左右差は生じています。従って、単純な角度ではなく【ぎっくり脇腹以前にも左右差が生じていたであろう所見】から判断します。
☆左に捻る角度が大きい為に行き過ぎてしまった
☆左に捻る角度が小さい為に(硬い為に)余裕がなくて傷めてしまった
このような理由や、その蓄積によって今回の例のようなぎっくり脇腹が起こると仮定し、その仮説を実証していきそれを正すことが治療になります。
状態にもよりますが
・背骨・骨格の矯正
・付随する筋膜・筋肉の調整
が治療の方法になります。
「筋肉の問題であろうと必要があれば背骨を矯正します」
理由は、先ほども述べましたが「背骨の中にある脊髄から起こる回復におけるネガティブな反応を抑える為」です。
背骨を矯正することは、「歪みを正す」「真っすぐにする」という物理的なメリットの為だけに行う訳ではありません。
一番は「脊髄」に刺激を入れること。
ギックリ脇腹に関しては、これが非常に重要です。
「痛い部分をほぐしてもらっても、ぶり返してしまう」
「過去に傷めて以降、今一つな状態が続いている」
このような方は、筋肉だけをの施術では不十分かもしれません。
是非、お気軽にご相談下さい。
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