階段の上り下りで感じる膝の痛み
階段の上りで膝が痛い。
階段の下りで膝が痛い。
しゃがむと膝が痛い。
伸ばすと膝が痛い。
膝の痛みのパターンは人それぞれです。
今回は、そのような膝の痛みについてです。
こちらの記事も併せてお読み下さい。
成長期の運動をしている子供の膝前面の痛み(オスグッド・シュラッター病)
この記事は、およそ2分で読むことができます。
あなたの膝の痛みはどっち?
その質問にお答えするにはまず、大前提として以下の2つのことをご理解下さい。
①膝の半月板(内側・外側)・靭帯(内側・外側・前十字・後十字・膝蓋靭帯)などを傷めている【構造的な問題による】膝の痛み
②何かを傷めている訳ではなく、【機能的な問題】による膝の痛み
大きく分けて、この2つに大別することが出来ます。
膝の痛みと言っても、この2つは全く異なります。
膝の痛みは水が溜まっているから?
また、どちらの場合にも【膝に水が溜まっている】せいで膝が痛い場合があります。
腫れを伴い、水が溜まっている場合には寝返りなどで痛みが出る場合もあります。
関節には潤滑油の役目をする【関節液】というものが存在しています。
本来は、適量分泌されて適量吸収されている為に問題になることはありません。
しかし、何らかの問題によって【沢山分泌されて吸収が追い付かない場合】に水が溜まった状態になります。
これは、手による検査で分かります。
溜まっている量によっては穿刺して抜く場合もあります。
【水を抜くと癖になる】
以前は患者様からこう耳にする事もありましたが、癖にはなりません。
【水が溜まってしまうような原因】が解決されていないと水が溜まってしまう為にこういった話が出てきたと推測されます。
圧迫によって水は通常に戻る事も多いので水云々ではなく、その原因を正す事の方が重要になります。
レントゲンやMRIで分かる膝の痛み
前項①の【構造的な問題】の場合には、MRI検査などで明確な問題が発見されます。
構造的な問題の場合、近年ではかなり減ったとはいえプロアスリートでもこれらのケガで復帰は出来てもベストフォームに戻せない方もいます。
私自身も20年前に半月板で手術を受けた経験がありますが、現在でも思わしくない時もあります。
従って、残念ながら治らないものもあると言わざるを得ません。
レントゲンやMRIで分らない膝の痛み
前々項②の【機能的な問題】の場合には、MRIやレントゲン検査では【明確な】問題は見つかりません。
注)
「強いて言えば、変形があるかなぁ」
「画像は綺麗だから筋肉つけて」
「とりあえず、シップと痛み止めで様子見て」
のように言われたあなたは、ほぼ②の【機能的な問題】と捉えて間違いありません。
なぜなら、【何かが傷んでいるのではなく、不具合】が痛みの原因だからです。
具体的には、
『階段の上りで膝が痛い』
『階段の下りで膝が痛い』
『しゃがむと痛い』
『伸ばすと膝が痛い』
というように、特定の場面で痛みを訴えるケースが多いです。
これらの【機能的な問題】の膝の痛みに関しては、治る可能性が高いと考えて頂いて差支えありません。
このタイプの膝の痛みについて以下でも述べていきます。
なぜ、痛いのか
膝は、すねと太ももで構成される関節です。
また、そこにお皿の動きが関与してきます。
簡単に言うと
・太ももの異常
・すねの異常
・お皿の異常
の3つが原因として考えられます。
傷んでいる訳ではないけど、動くべき時に動いていない。
捻じれるべき時に捻じれていない。
例えば、このような感じで問題が生じています。
つまり、無闇に筋肉をつけたり、膝を揉んだり・温めたりしても効果は乏しくなります。
①太ももに対してすねが後ろにズレている。
②すねに対して太ももが前にズレている。
③太ももに対してすねが前にズレている。
④すねに対して太ももが前にズレている。
⑤お皿が上または下、外側・内側にズレている。
膝の問題はこういったズレから起こっていることが多くあります。
※これらがあなたの膝に起こっていた場合、専門家が説明しながら左右を比較すればご体感頂ける場合がほとんどです。
①と②は【膝だけにフォーカスしたらどちらも同じ状態です】
③と④も【膝だけにフォーカスしたら同じ状態です】
でも、【正し方が異なります】。
正し方が異なるので、効果も異なることになります。
つまり、膝だけにフォーカスしていたのではこれらの問題による膝の痛みは改善が乏しくなります。
膝の痛みにお悩みの方はこれにご注意下さい
膝の痛みでお悩みの際にも専門家の判断を仰ぐことが近道です。
ですがここで、注意が必要なので1点ご留意下さい。
専門家も一括りでは語れない。
ということです。
①とりあえず、シップと痛み止めだけという専門家。
②痛い部分だけを診て、電気→マッサージ→筋トレやサポーターなどを施す専門家。
③前項でお伝えした様に太もも・すね・お皿まで診て手を施す専門家。
④太もも・すね・お皿の問題がどこからなのかも診て、手を施していく専門家。
⑤④まで診て尚且つ、それぞれの部分を正す事が出来る専門家
というように、どこまで【その症状を広く捉え、正す事が出来るか】は大きく異なります。
もちろん、④までしなくても①や②や③で良くなる膝の痛みもあるのは事実です。
今回あなたに知って頂きたいのは、何が良くて悪いということではありません。
但し、違いがあることはご理解頂きたく思います。
『どうせ、専門家に診てもらっても良くならないし、自分で治そう』
『どうせ、どこで診てもらっても同じだから仕方ないと割り切るしかないんだな』
こうなってしまう事が、1番勿体ないし残念なことだと思います。
以上、あなたの健康な生活において有益な情報であったなら幸いに思います。
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