カイロ(カイロプラクティック)
大前提として「カイロプラクティック(略して、カイロ)」について理解している人は多くの方が思っているよりも”圧倒的に少ない”です。
それは、通院先を探している一般の方の留まらず、医療職の方、整骨院や鍼灸院やマッサージや整体の提供者、もしくはカイロプラクティックという屋号を用いて矯正やテクニックをご提供しているご本人も含めてです。
カイロの効果の可否や是非を検討するならば、カイロが何なのか?を知らないと評価出来ないと思うので、それについて述べていきます。
目次
なぜ、そのような事が起こるのか?
発祥の地であり法制化されたアメリカと異なり、日本では純粋に学べる場所、学び続けられる場所が少ないからです。
アメリカで学ばれた方が教える→それを習った人間が次に教える→また次に・・・
という内に本質からかけ離れてしまったケースが大半です。
企業や組織も同様だと思いますが、トップの想いや考えの内のどの程度が末端の方まで届いているでしょうか。
また、同じ出身校や兄弟でも創設者やご両親の意図の反映度合いは千差万別ではないでしょうか。
人を介せば介すほど、直接的な関係性が遠くなればなる程に、「間に入る方の私見が入るので大抵は薄まる」ものだと思います。
また、一個人で考えても歳月と共に「進化ではなく変化」していきがちなのは、恐らく私だけではないハズです。
「患者様が良くなれば何だっていいじゃないか」
そのような話になりやすいのですが、私もそれについては完全に同意します。
でも、それをカイロプラクティックとして次に伝達していくから話がおかしくなるのだと思います。
「カイロプラクティックはバキバキするから危険」
「カイロプラクティックで痩せる」
それを「カイロだと習った方」は、それをカイロだと思って提供する。
提供された方々は、それをカイロだと認識する。
でも、いつの間にか「カイロと別物」になっている。
従って、「別物なのでカイロのメリットを享受できない、カイロ本来の効果が得られない」ということになります。
では、カイロのメリットとは何なのでしょうか。
カイロプラクティックって何??
『難聴の方に対して、背骨の出っ張りを押したら、難聴が回復した』
この一件について解明を進めたものがカイロプラクティックです。
「背骨と耳に何の関係性があるのか?」
その答えが、「神経」です。
イメージしにくいと思うので、充電中のスマホをイメージして下さい。
充電には、スマホ・充電器・コンセントの3者が正常でなくてはいけません。
この充電器のコードに該当するものが「神経」です。
充電器のコードを覆っている表面部分が「背骨」に該当します。
耳と(音を認知する)脳がスマホ・コンセントに該当します。
充電の際にスマホが壊れていたら充電不可能です。
充電の際にコンセントが壊れていても充電不可能です。
つまり、耳自体・脳自体に問題があればカイロではお力になれません。
でも、
「耳の検査をしても問題ない」
「脳の検査でも問題ない」
「何だかよく分からない」
このようなケースは、カイロで改善が見込める可能性があると言えます。
これは、対象物を「耳」とした場合の話です。
これが、例えば「胃」になったり「腰」になったりする訳です。
同様に「胃自体」「腰自体」を診るというよりも「神経を正常化した結果、胃や腰が良くなる」ことを目指すのがカイロです。
これを簡単に言うと「カイロで自然治癒力を高める」と言っている訳です。
※カイロでは神経に異常を来たしている状態を「サブラクゼーション」と言います。
カイロプラクティックと整骨院
私も柔道整復師という国家資格を取得したばかりでカイロについて無知な頃はこの怪しさ?(言葉を選ばずに言うと)が苦手でした。
柔道整復師という接骨院・整骨院の開業資格に該当する資格は簡単にいうと「投薬・手術が出来ない整形外科」です。
骨が折れているか・いないか。
組織が傷んでいるか・いないか。
折れているから真っ直ぐに。
傷んでいるから修復するように。
要は、白か黒か。
これらが柔道整復師の国家資格として求められる知識や技能です。
でも、「黒か白かに二分出来ない状態」もあるのではないでしょうか。
また、「整形外科の下位互換が柔道整復師ならば、私が患者だったら迷わずに整形外科に行く」と思います。
極めて黒に近い白。
完全な白。
これを「同じ白」として一括りにする事に私は無理があると考えています。
カイロプラクティックは、この点に長けています。
当時の私の様に「怪しさ」を感じる方がいてもなんら不思議ではありません。
でも、今の私が言えるのは「初めから誰も、全てを何とか出来るなんて言っていなかった」という事です。
でも、体の機能や自然治癒力を高めた方が良いことは明確。
その結果、「思いがけない成果が得られる事があります」という話になります。
誰かが、カイロの価値を端的に表そうとした結果、それが独り歩きしてしまい、過去の私もそれを鵜呑みにしてしまっていたのだと思います。
怪しく思う人を否定するつもりは全くありませんが、上記に述べたようなバイアスによって本来の価値を享受出来る機会を逃してしまうことは残念なのでお伝えしています。
カイロプラクティックには種類がある
前述のようにカイロプラクティックは「自然治癒力を高めるもの」です。
でも、これはある意味(かなり生意気ですが)「それ以上は出来ません」とも捉えられます。
「でも、目の前の患者様を更に少しでも何とかしたい」
これは完全な私の推測ですが、そのような想いから自然治癒力を考慮しながらも「物理的な改善」をする方々が出てきたのだと思っています。
※それをおこがましいと思う方々の気持ちも理解は出来ます。
前述の神経を正常化、機能的な改善を目指すのが本来。
ズレている骨を戻すことで物理的な改善(体の動きを変えたり、姿勢を変えたり)を行う方が「より効果的な場合があった」のだと私は勝手に想像します。
但し、今日のカイロは
①神経の正常化を目指すグループ。
②物理的な改善を目指すグループ。
の2つに大別されています。
ここまで述べてきたようなカイロと比べて、客観的にみると②の場合は、そもそもカイロではないと思います。
でも、冒頭に述べたように「①も②も患者様が良くなるのならば良いのではないか」と私個人としては考えています。
個人的に②のグループからカイロを学んでから①を学んだので両方をご提供した経験があります。
どちらも私は素晴らしいと考えています。
なので、私は患者様の状態に応じて「使い分けています」。
邪道・ご法度かもしれませんが、私が患者だったとしたらそれを望むと思うのでそうしています。
カイロプラクティックをご提供するテクニック・手法について
カイロプラクティックには、200種類位のテクニックがあると言われています。
ここまでお読みのあなたはお分かりかと思いますが、カイロにおいて「方法論よりも大事なのはカイロが何なのか?」という点です。
よく目にするであろう
「バキバキが危険なのでソフトな方法で」
「バキバキでスッキリ」
とかいう表現がいかにカイロからかけ離れているかがお分かりになるのではないでしょうか。
そういう問題ではないです。
神経を正常化する為に必要な事をするのがカイロです。
危険だろうと無かろうと神経の正常化に必要なら必要なのです。
危険か安全かは提供者の力量です。
危険なのが分かっているなら危険を減らすように準備すべきだし、準備ができていないならそもそも仕事にするなという話です。
自然治癒力の正常に伴ってスッキリすることはあり得るでしょう。
でも、スッキリを目指す為にバキバキするのはカイロからはかけ離れています。
別にそれはそれで構わないのですが、それをカイロだとして話を進めると「そもそもカイロでないので」話がか噛み合わなくなります。
当院では前項で述べたように、患者様の状態に合わせて「考え方を変えています」。
それに伴って、選択する手法も異なります。
先ほど述べたように、方法論よりも大事なことがあるのですが、ここまでお読みのあなたはそれをご理解されているとおもいますので参考までに当院で持ちているカイロの手法を挙げます。
・ガステッドテクニック
・トムソンテクニック
・ディバーシファイドテクニック
・ピアーズテクニック
・ターグルリコイルテクニック
今日の日本で行われている「所謂、ボキボキ鳴らす」カイロプラクティックのほぼ大半は、ディバーシファイドテクニックを用いています。
近年、整骨院で導入する事が増えているのが、専用のベッドを用いて「ガシャガシャ」とベッドから音がするトムソンテクニックです。
カイロプラクティックの中で最も習得が難しく、効果が期待できるテクニックがガンステッドテクニックと言われています。
大きな違いは、骨のズレを「二次元で考えるか」「三次元で考えるか」という点です。
ガンステッドテクニックの効果が高いのは「三次元」で考えて骨を戻すからです。
当院では、これらのテクニックを「あなたの体の状態に合わせて使い分けています」。
なぜ、カイロの理解が深まったのか
当然、私よりも理解している諸先輩方はいます。
でも、僭越ながら全体的な割合からみるとそれは決して多くはないです。
理由は、ただ単に私は学べる環境に恵まれていたからです。
私は、ネットで調べて学びに行って、満足いく結果が出ないからもう一年・・・というのを繰り返していただけです。
草野球選手や草サッカー選手とプロ野球選手、プロサッカー選手の何が違うのか。
同じルールやボールを用いて、同じ人間の体が行うハズです。
異なるのは技術だけではないでしょうし、競技の理解度や考え方も違うかもしれません。
ただハッキリしているのは、「同じ競技をしていても」そのレベルは異なるという点です。
カイロに置き換えても、同様です。
ここまで述べてきたように「そもそもカイロかどうか」でまず違う。
同じカイロでも考え方や技術・理解度が違う。
当然、患者としてあなたが享受できる効果、結果も異なる。
ということになります。
あなたがカイロで通院先をご検討の際には、この点にご留意頂く方が賢明だと思います。
是非、カイロプラクティックについて少しでもご理解頂けたら、カイロプラクティックの価値をご理解頂けたら非常に幸せです。
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