ギックリ腰は気圧変化や寒暖差の影響を受けても「ならない方」が大半で、それが普通という点について
誰しも経験や年齢を重ねると、かつての自分の未熟さや浅はかさを悔やむのではないか…と若輩者ながら体感していますが、今回は過去の私の反省を含めた「魔女の一撃」とも表現されるギックリ腰(徐々に…ではなく瞬間的に起こったもの)についてです。
ギックリ腰は避けられる
結論からいうと、ギックリ腰は適切な頻度の施術と正しい内容の施術、お伝えした部分以外のストレッチや筋トレ、リリース等のことをしない限りは繰り返すことはほぼ無いと経験から考えます。
ギックリ腰を繰り返す理由
具体的にいうと、ギックリ腰は「腰のケガ」であり、擦り傷や切り傷同様に遅かれ早かれ大抵は何をしようと回復します。つまり、有益だったか否かは再発率で判断するのが現実的です。個人差が皆無とは言い切れませんが,繰り返しているのは「何かが間違っている」ことは結果から判断してほぼ間違いないと経験から感じています。「体が柔らかいに越したことは無い」「どの関節の可動域も大きい方が良い」は現代では誤りで、全ての事柄同様にメリットとデメリットは表裏一体です。体を効率良く動かす際に「支点」が不安定では筋肉が「てこの原理」を用いて関節を動かすことが出来ないことが理由です。キャスター有無のそれぞれのイス上で足を接地せずに同じ動きをしたら意味が分かるでしょう。「ただ可動域が大きいのが良い訳ではなく、状況に応じて軟らかくも硬くもなれる臨機応変さ、“柔軟”さ」が大事なのです。だから、取捨選択の「捨てる」=「手を施さない部分を決める」「ストレッチやリリースしない部分を決める」体のケアに熱心な方でもぎっくり腰を繰り返している方は、この概念が鍵になることが多々あります。「良い様な気がする」けど、ギックリ腰を繰り返しているならば、私の経験上はそれは正解ではないです。その段階はまだまだギックリ腰のリスクを遠ざける余地が大幅に残されている状況です。参考までに、SNSやTVで見た際にだけ思い立って数日だけやる「あなたのギックリ腰の改善の為とされていないエクササイズ」や疑念を持たずに行っている競技特性や個人特性を考慮していない包括的なストレッチが原因になっていることは経験上多いです。
ギックリ腰の再発を防ぐには
私が唯一の正解ではありませんし、再発を防ぐことが出来ている専門家も(あなたの目についていないだけで)世の中には少なくないと思います。当然ながら逆も然りですが、同一の患者様を診ても「どうやって目標を達成するか」の方法は多岐に渡ります。理由は、身体は物ではないので、外からあれこれして直接治せる訳では無く「治ろうとしているのを邪魔している阻害因子をどのように消し去るか?」が極論すると我々に出来ることであり、捉え方と回答を導き出すスキルが重要であって、ツールは重要ではないからです。
ギックリ腰なんかに振り回されない為には
この記事でお伝えしたいのは「ギックリ腰は別に仕方ないことではない!」という点です。ご本人が納得しているならばギックリ腰に対するご認識を否定するつもりは無く、他人である私が口出しする事ではないでしょう。それを嘆き、脱したいとお考えの方にお伝えしたいのは、気圧変化や寒暖差、ストレスはどれも原因にはなり得ますが「所詮、一因」です。現実的に避けようがないことにフォーカスするよりも現実的に変え得る事柄にフォーカスして然るべきアクションをした方が未来は変わると考えます。過去の私も含めて最も難儀なのは「やれることはやっているのに何故だ!?」という認識に基ずくアクションを変えることが出来ない場合です。結果に繋がっていないならば経験上、ギックリ腰に対して(認識していないであろう)落ち度があります。あなたのギックリ腰対策の最高責任者はあなた自身です。是非、繰り返していても落ち込まずに冷静になって「落ち度を絞り込んでいく作業」をして下さい。(ご来院の方は私が診させて頂いたうえで、個別に絞り込み、無駄を省いたうえでお伝えしています)
「言われたら、そんな時代もありましたよね!」
難儀したケースで過去のご自分を笑い飛ばしている患者様を見ることが出来た時は、その後の院内で一人、思わずガッツポーズをしてしまいます。とはいえ、ギックリ腰のことなど日常で頭をよぎらないのが本来「普通」で、その様になるべく取捨選択をしてから施術・説明をしているので結果も「プロである私からすれば普通」なのですが、「普通」は意外と当たり前ではないのかな・・・と感じることもあります。既に診させて頂いている方々も必ず年齢を重ねる以上、今は微力ながらもお役に立てていたと仮定しても数年後には今の私では相対的に力不足になる可能性も十分に想像出来る訳なので、ギックリ腰に限らず「”普通”をプロとして”普通”にご提供し、し続けることが出来る」存在になるべく、日々行動をしています。今回の記事が、ギックリ腰でお悩みの方の何かお役に立てたならば嬉しく思います。
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