院長の整体新書 – 整体ブログ –

交通事故によるケガでのご通院について(むち打ち・ケガ)

  • 交通事故・むち打ち

日々の生活の中でいつ何時、被害者になるのか分からない交通事故。

今回は、交通事故の際に整骨院・接骨院・整形外科などに掛かられる際の注意点を

・むち打ち経験2回 (追突されたケースと自損事故)

・ケガ(バイクで衝突して足を負傷)

・保険会社様との患者としての対応経験2回

・治療家としての交通事故患者様の経験約30名

の私の経験を含めて書かせて頂きます。

整形外科に交通事故で受診すると煙たがられる?

整形外科において、私自身も患者として同様の思いをした経験がありますし、患者様経由でこの様なお話を伺うこともよくあります。

理由を言葉を選ばずに端的に言うと、

「誰しも厄介なことに関わりたくないから」

です。

初めにお断りしておくと、交通事故に遭われて通院をご検討される方の大半は

「単純にお体の症状を良くしたい」

「1日も早く、事故前の生活に戻りたい」

当然ながら、この様なお気持ちだと思います。

ですが、現実的なお話をすると

「慰謝料を目的とされる方」

も一定数いらっしゃいます。

こういったケースの方が印象に残りやすいこともあり、

「あなた自身に何の非も無い状況でも交通事故での通院と言うだけで」

煙たがられてしまう可能性があります。

私がここでお伝えしたのは、そのような現実をご理解頂くことで違った対応が出来て、あなたにとっての不要な摩擦、不快感を感じずに過ごせるのではないか?と考えたからです。

「なぜ、事故で心身両面で辛い時に、そんなことまで気を遣わなくてはならないんだ」

そのように感じる方がおられるのも理解できますが、

「交通事故で掛かると、このように思われる可能性があるんだな」

という事をご理解頂くことで、あなたにとって負担が少なくなるような行動に繋がればと思っています。

なぜ、整骨院では交通事故通院が大歓迎なのか?

整形外科と異なり、普段から健康保険を使用している整骨院・接骨院では交通事故での通院が歓迎される傾向にあります。

理由は、

「単価が高い」

からです。

健康保険を用いた施術に比べ、交通事故による保険診療の方が売り上げに繋がる。

だから、一般的に歓迎されます。

当然、整形外科と整骨院のどちらが正しいということではありません。

こういった事情も背後に存在しているということ知っていた方が賢明だと思ったのでお伝えしました。

※当院の交通事故に関しての方針は当記事の最後にお伝えします。

交通事故だと整形外科の通院は必須

過失割合によりますが、あなたの治療費が全額自賠責保険や任意保険から賄われる場合には

「医師の証明が必要」

です。

法的には、

「捻挫・打撲・挫傷」

に関しては、整骨院・接骨院の柔道整復師にも判断が認められています。

しかし、治療費を払う立場である各保険会社様が認めていません。

従って、何においても

「支払う保険会社様が認めればOK、認めなければ不可」

これが大前提になります。

※弁護士に依頼すると許容範囲が大幅に変わることもよくありますが、あくまでも一般的に。

保険会社様が認めるうえで、必須なのが先ほど述べたように

「医師の証明」

になります。

交通事故によるお怪我が治るまで、もしくは示談するまでは、治療の必要有無を継続的に医師に判断して頂く必要があります。

・整骨院と整形外科との併用有無

・整骨院の転院

などの際も、必ず事前に保険会社様の担当者から許可を得る必要があります。

あなたが被害者の場合、加害者が加入している任意保険会社の担当者の方とあなたで以降の話をしていくことになります。

任意保険会社の担当者の方から見たお客様は、被害者であるあなたではなく、加入者である加害者です。

この点の認識の相違が原因でしばしば話がこじれ、あなたにとって不要なストレスを感じる一因になりますので、ここは大事だと個人的に思っています。

また、

「首から腰にかけて症状がある」

場合でも、診断した医師が

・頸椎捻挫

・腰部捻挫

という様な首と腰の診断名しか認めていない場合には、この2箇所の施術しか交通事故の治療ではお受け出来ません。

各保険会社様も診断書を基に判断しますので、頂いた診断書とあなたの訴えに相違がある場合には、正確な診断書を頂き直す必要があります。

なぜ、私がこの事を記したのか?というと

後に、トラブルになるケースがあるからです。

万が一、交通事故による症状が改善しきらなかったとします。

その場合には、「後遺症認定」というものを考慮することになります。

各等級に応じて、あなたが該当すると認められれば等級に応じた補償を受けることになります。

その際に、診断書と症状のある部分の相違があるとややこしくなります。

後から診断書をもらい直そうにも今度は交通事故との因果関係について疑問を持たれるケースがあります。

予め、避けられるトラブルは避けられるようにしておく方が良いと思いますので、この様なところも頭の片隅に留めておいて頂けたらと思います。

症状における治療概念の違い

整形外科医からは、ほぼ確実に

「当初は、マッサージ“など“はしない方が良いので湿布と痛み止めを出しておきます」

と言われます。

その反面、整形外科以外への通院経験がある方があなたの周囲におられる様であれば、その方々からは

「早期に手を施した方が良い」

と耳にすることもあるでしょう。

この事故の余韻が消え切らない内に、後の症状を左右し得る判断を下す必要があります。

「何が正しいのか・・・」

判断しようにも判断材料が無さすぎて、判断しようがないという方が大半です。

日本における診断権は医師にしかないので、整形外科の医師が仰る事が満点の回答であり異論はありません。

ただ、もし私が今現在に患者になるとしたら

「スグにでも“的確な施術“を施して下さる方の”手による施術”」

を受けます。

医師が先ほどのように述べる理由は、1つではなと思います。

仮に、今の私が医師であればそのようには言わないと思いますが、初めから医師であれば同様のことをお伝えしていたとも思います。

話は逸れましたが、ここで重要なのは

「この初期の段階で的確な施術を施せる治療家」

に当たることができるかどうかです。

当然ながら、初期の段階と普段を比較したら悪化させてしまうリスクは高くなります。

従って、私が患者であれば

「信頼出来る人に任せられないならば、医師の言う通りにシップやアイシングをして何もしない」

という方法を選択します。

※ストレッチやアルコール摂取、温めることも絶対にしません。

また、当然ながら

「医師にもあなたの味方になって頂いたうえで」

というのも欠かせない点だと考えています。

※通院先のご選択の際には↓の記事を参考になさって下さい。

カイロプラクティック・整体・整骨院の“本当の違い”

何を施してもらうべきなのか?

当然ながら、症状によります。

代表的な「むち打ち」で述べると、

傷んでいる筋肉、靭帯などが

“極力、綺麗に修復されるような下地を早期に作る”

ことが大切です。

以下の図をご覧下さい。

鞭打ちが起こる背骨と以下の図で示す関節は、当然異なりますが「基本構造は同様」です。

関節は、2つの骨を繋ぐ

・滑膜

滑膜の外側に存在する

・線維膜

2つ合わせて、

・関節包。

その外側で補強を目的とした

・靭帯

それらによって守られた関節を補助する

・インナーマッスル

それらによって安定された関節を動かす 

・アウターマッスル

で構成されています。

※もちろん、各靭帯や筋肉に神経や血管もあります。

むち打ちの場合には、「頭が振られる」ことによって、靭帯や筋肉が損傷しています。

靭帯及び、深部にある筋肉(インナーマッスル)の役目は、

・関節を安定させる

・関節の動き過ぎを防ぐ

ことになります。

逆に言うとむち打ち直後には

「関節が不安定で動き過ぎてしまう状態」

と言えます。

ただでさえ不安定な状態なのに、“より不安定な状態にしてしまう“と改善を妨げ、悪化させることになります。

・猫背

・変な姿勢でテレビを見る

・温めて筋肉を緩める

・筋肉のコリをほぐす

・ストレッチをする

具体的には、このような感じです。

関節を安定させるべき

・滑膜

・線維膜

※合わせて関節包

・靭帯

・インナーマッスル

が傷んでいるせいで、関節が不安定。

“本来は安定ではなく動かす役割のアウターマッスルが安定面にも動員される“

だから、アウターマッスルのコリ感が増す。

という仕組みです。

アウターマッスルまで緩めたら“最後の頼みの綱“がなくなり、より不安定になります。

これらが分かれば、どのように手を施せば良いのかは明確です。

「関節を安定させるものが傷んでいる」

→「それらの組織の修復を促せば良い」

→「それらの修復を妨げる要因は何のか」

→「不安定性を増強させること」「傷んでいる傷口を拡げてしまうこと」

→「それをするには、具体的にどうすれば良いのか」

→アウターマッスルを緩めない。

→関節の位置を正して、それを結んでいる組織の傷口を寄せ合わせる。

といった感じになります。

首は7つの骨があります。

背中の骨は12個。

腰は5個。

更に、頭と骨盤。

それぞれの骨の間には、関節があります。

「首を正す」

ではなくて、

「首の1番上と2番目の間の関節を正す」

とか

「首の7番目と背中の1番上の関節を正す」

といったように「よりピンポイントで」施術が出来るか否かが重要です。

触れなくては“異常がわからないし“、分からなくては正せない。

健康な人であれば触診出来ても、痛くて緊張している場合には触診自体の難易度が上がります。

ならば、緊張を下げる為にどうするのか?

どの姿勢をとって頂けば触診することができるのか?

腰を反らせてもらうのか、丸めてもらうのか?

仰向け、うつ伏せ、座って、どの姿勢でやるのか?

検査の段階でもこれらのことを考慮できるかどうかで変わってきます。

検査が曖昧であれば、基にした施術も曖昧にならざるを得ない。

施術が曖昧なのだから施術から得られる結果も当然、曖昧でしょう。

私が患者であれば、それらが出来る人の施術であれば、すぐにお願いします。

因みに、ここまでお読みの方はお分かりだと思いますが、

正した ≠ 治った  

ではありません。

血行不良であれば血行を良くすれば楽になります。

でも、今回の場合には組織が傷んでいるので、痛いものは痛いです。

ただ、痛い期間を縮める為に、後遺症のリスクを下げる為に、というお話になります。

この点は混同されがちなので、予めご了承下さい。

※「整えた後」は、↓の記事をご参考にご対応下さい。

夜間・休日に痛みが出たら、温めるのか・冷やすのか

むち打ちは、しっかり治さないと後遺症がでるのか?

よく耳にするのですが、これは何も

「むち打ちに限ったことではない」

ということにまずご留意下さい。

・程度の問題

・治療との相対的な問題

・あなたの生活

等によって、良くも悪くも結果は大きく異なります。

・首は大事な部分なので症状に反映されやすい。

・リスクが高いという先入観があるので西洋医学的に余り手を施そうとする方がいなかった。

ことが、むち打ちに対する一般的なイメージを作り上げていたのかと考えます。

「むち打ちだから後遺症が出る」

ということでは全くないので、過度な心配や不安を感じる必要はありません。

過度な不安やそれを基にした気分の落ち込みは、自律神経を介して改善の妨げになります。

気持ちの持ちようにまで口を挟める立場にありませんが、必要以上に落ち込まないようにすることは改善においても重要です。

改善が不十分な場合に

・程度の問題

・あなたと治療家の徹底度合いの問題

なのかは悩ましい点ではあります。

でも、程度は変えられないのですが、徹底度合いは変えられます。

むち打ちになってしまった以上は

・すべきこと

・すべきでないこと

の徹底度合いでしか結果は変わらないので、その点をご理解頂けたらと思います。

矜持整骨院における交通事故によるご通院について

結論から言うと、当院では

「既存の患者様で信頼関係が既にある方」

※10回以上のご来院歴がある方。

のみ上記に述べたような交通事故患者様としてのご対応をさせて頂きます。

新規の方の場合には、

(前述の通り、各保険会社様が当院の施術金額でお支払いを認めて下さるのならば)あなたに一度お支払い頂いて、後に各保険会社様との間でご精算頂きます。

※通常は患者様の自己負担0円で整骨院側が各保険会社様に請求します。

※保険会社様独自の料金表があり、弁護士を利用しないと当院の施術料金全額を各保険会社様が認めてくれないケースもあります。

また、“通院日数に応じて支払われる慰謝料“目的のご通院を防ぐ為に通院頻度や通院回数はお体の状態を見たうえで私が決めさせて頂きます。

理由としては、私も過去に苦い思い出をしたことがあるからです。

証明書の私の印鑑を捏造し、あたかも私が証明したかのような詐欺事件に巻き込まれたこともあるし(もちろん、関与は否定されました)、当初は改善目的だったハズが慰謝料の為に通院が目的となってしまったのではないかな・・・というケース等も経験としてあります。

もちろん思うところはありますが、全て私に非が無いのかというと結果的に脇が甘かったから起こったことだと認識しています。

それを踏まえて開院以来、このような方針にさせて頂いております。

交通事故には被害者の方の責任が皆無なものも当然あります。

別人格である新規の方に私の過去を当てはめること自体もナンセンスだと思いますし、新規の方に問題がある訳ではありません。

しかしながら、私は立場的に「新規の患者様」よりも「既存の患者様」に支えられています。

その方々に迷惑をかける可能性があることは、避けるべきだと考えております。

贅沢な事を述べているのは重々承知していますが、私は自分の力を最大限に発揮できるような環境を作る為にそのようにすると決めています。

生意気な言い方にはなりますが、これらのことをご了承頂いたうえで私にお任せ頂けるのであれば、その想い以上のお返しを効果としてご提供させて頂くつもりでおります。

大変、身勝手ではありますがご理解とご協力をお願い致します。

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