院長の整体新書 – 整体ブログ –

根本治療・根本改善の混同されがちな“2つの意味”と“こり”について

  • 肩こり

根本治療、根本改善。

これには2つの解釈があると私は考えています。

①再発せずに効果が長期に続く。

②効率よく効果が出る。

これは、似て非なるものだと考えています。

どちらが正しいのかという議論に興味はないのですが、当院のご提供できるものを予め知って頂く為にこの記事を書いています。

根本治療・根本改善の考え方

結論から言うと私の見解は、②です。

18年目の今日現在では「①再発せずに効果が長期に続く」ことは現実的ではないと思っています。

例えば

・ぎっくり腰で仕事も行けない。

・四十肩・五十肩で夜も眠れない。

・膝が痛くて、家事も出来ない。

・神経痛で手術を勧められている。

このようなレベルの症状の再発を防ぐことは出来ます。

なぜなら、現時点がマイナススタートで「これ以下はない」状態だからです。

もちろん、難易度は高いです。

でも、「落ち度をなくす」ように質を追求していけば可能なことは意外と多いです。

絡まってしまった紐を解くように、丁寧に掘り下げていけばシンプルな問題に辿り着きます。

その問題を正す→出てきた反応を精査する→然るべき部分・方法を施す→出てきた反応を精査する。

やることは至ってシンプルで明確です。

「根本治療・根本改善」はここに至る過程とこのサイクルを指していると考えています。

さて、問題は、ここに含まれないような症状です。

・肩こりは何十年もあるけど、生活に支障はない。

・腰痛持ちだけど、出来ない事は何もない。

例えば、このような症状です。

理由は、「自覚と状態に相違がある」からです。

ここで1つお断りしておきたいのは、「気のせい」とか「そんな症状は誰しもあるんだ」というような、精神論に興味はないという事です。

「こっているものはこっている」

「痛いものは痛い」

それはご本人しか分からないので、それを否定するつもりはありません。

ただ、当院でその改善を約束することが難しいという話です。

「こっているものを柔らかくすること」

「痛みのある動きで痛みが出ないようにすること」

これは、当院で出来ます。

「こり感」

を取り除くことは、手術宣告された状態や名だたる医師が匙を投げた症状よりも私からすると難しいです。

こりは戻るのかどうか

確実に「戻ります」。

なぜなら、筋肉はそういうものだからです。

使えば老廃物が溜まるから「硬くなる」「こる」。

寝起きには血行が悪くて老廃物が溜まっているから「硬くなる」「こる」。

極論、体の歪みや機能の問題が皆無でも筋肉はそういうものです。

従って、これは体の構造的に当然です。

「当たり前のことを当たり前でなくすにはどうするべきか」

然るべき事を行うしかないと思っています。

代表的なものが、有酸素運動です。

「忙しいのに、そんな時間を作れない」

「そもそも好きじゃない」

そういう方もいるとは思いますし、私はそれで良いと思っています。

でも、それと今話している事は別です。

ただ、それをすれば「老廃物が溜まりにくいから、こりにくい」という話をしています。

治療に来てくれている友人が以下のように言っていました。

「前にやってもらってから、ずっと首の所にあった“こり”が全くない!」

白衣マジックが使えない友人相手に結果を出す事が10年前は目標だったので、とても嬉しかったです。

でも、私の見解はこうです。

「引っかかっていて動いていなかった筋肉の下にある首の関節を動かしたから」

筋肉の下にある関節がズレて引っ掛かっていて「ボコっとなっている」と当然皮膚から触ったら「こっている」ように感じられます。

問題は、それが「筋肉のこり」なのか「そのこりは何層目の筋肉なのか」もしくは、「下の関節の硬さ」なのか。

友人の場合には、関節だったので「以降、全くない」状態になっている訳です。

筋肉だったら、友人の生活に変化が無い限りは確実に戻っています。

治療前の状態を知ったうえで意図的に提供した私自身だからこそ、断言出来ます。

なぜ、現実を伝えるようにしているのか?

「実際にこっていなくても、同意した方が患者様は喜ぶよ」

勤務していた際に、先輩からこのように言われた経験があります。

「一理あるな」と納得した反面、

「自分はそうしたくない」

とも思いました。

マッサージ屋さんを軽視はしていませんが、私はマッサージ屋さんでは無いし、目指してもいないからです。

説明すれば認識を改めて下さる可能性がある人に対して、専門的な見地から事実を伝えることが治療家としてプロではないか?

「なぜ私の人生の判断を他人に過ぎない医師が独自の判断で行うのか?」

過去に感じたこの疑問がきっかけで今に至るので、私はそれには同意出来ない。

治療家だったら「目の前の人に耳を傾けて頂けるような努力をするべき」だと私は考えて、今日に至ります。

具体的には、独立・開院、完全自費診療のみの経営方針もその一環です。

なぜ、私にそんなことがわかるのか?

「診たり触ったり、話を聞くだけでよく分かりますね」

ポジティブな意味合いで仰って頂けることがあります。

そういう姿に憧れていたので、とても嬉しいです。

偽りない本音を言うと、

「頼れるものがそれしかないから」

という答えになります。

「腰痛でご来院の患者様の原因が実は、癌かもしれない」

「肩が凝ると頭痛が出ると訴えている方が脳梗塞かもしれない」

私の実力や心構えに関係なく、最悪はそういうケースに遭遇する可能性は常にあります。

医師でもなく高性能と言われている検査も出来ない私にそれが分かったら誰も命を落とさないと思うのですが、それでも最大限の準備は常に不可欠だと私は思っています。

「辻褄が合わないので、治療前にもう一度診させて下さい」

時々、このようにお願いすることがあります。

各患者様の訴えの1つ1つに対して、私の中で理論的に筋が通らなくては、怖くて治療できないし、不安で仕方がないと思います。

怖いから追求する。

追求するから分かる。

分かるから然るべき治療を立案できる。

立案出来るから結果を精査できる。

精査出来るから命の危険も手術の適応にもならないレベルの各症状にも共通点がある事に気がつく。

気がつくから仮説・検証ができて、それを患者様にご提供出来る。

全て意図的にやっているからこそ、自分の提供した治療の過程を含めた是非を自分でも評価できるのだと思います。

患者様の訴えを改善するのが私の役目です。

でも、訴えを鵜呑みにしていて結果に繋がるならば、症状に悩む方なんて皆無だと私は思っています。

2021年の春頃に本棚が崩壊したついでに院にある西洋医学系のものだけ撮影しました。

かさばるので随時処分もしていますが、ここから10冊程度はまた買っています。

主に、自分の仮説の裏付けと確認、新たな知見の獲得の為に使用しています。

法律・資格的に武器が少ないならば、資格のグレードを上げるか、ある武器を磨くかの2択です。

どちらも種類の違う難易度だと思いますが、前者に対しては保身的な意味合いしか個人的なメリットとして感じないので、私は自らの責任で後者を選んでいます。

こり感を改善する方法

別記事でも書いているので端的に述べます。

筋肉を使う、動かすことです。

筋肉を動かすことで活発になる神経が、こり感を感じる神経を抑制することができます。

つまり、「こりを感じにくくする」ことができます。

これは、私の持論ではなくて、体の構造を学んだ方からすれば常識です。

※解剖学・生理学を学べばわかります。

当然、「実際にこっているのに、感じにくい状態」になれば問題に気がつくのが遅れてしまう弊害はあります。

※手術を要すような変形・ヘルニア・脊柱管狭窄症等も元々は「こり感」位の症状・状態からスタートしています。

運動習慣のある方が、「本当に悪い状態になってから受診されるケースが多い」のはこの為です。

でも、「こっていないけど、こっているように感じてしまう」方にとっては非常に有益な方法です。

体に害のない、「痛み止め?」「こりどめ?」のようなものなので、誰でも出来る、体に元々備わっている機能の有効活用になります。

こりで通院しても意味がないのか?

前述の通り、当院では「こり感」に対するあなたの満足感をお約束出来ません。

従って、道義的な理由からそういう方には次回の予約を勧めていません。

もちろん私は構いませんが、ご本人のご判断に委ねています。

※冒頭の症状が強い方に関しても、初診時の症状・状態が改善した時点で「当初のお悩みは改善したようですが、このままメンテナンスでご通院されますか?」「もしくは、お伝えした事をご自分でケアして頂いてご通院は一段落にしますか?」と私から伺うようにしています。

ただ単純に、「私に気を遣って言い出せない方もいるのではないか?」との思いからご本人の選択に委ねているだけで、深い意味はありません。

「日によっては、こりを感じる事はあります」

「でも、来院以前みたいなどうしようもないレベルにはなっていません」

ご通院の患者様に

「症状はどうですか?」

と伺った際に耳にすることが多い回答です。

有酸素運動やストレッチをしていない患者様も沢山います。

前述の通り、私はそれはそれで良いと思っています。

ご本人がその有効性を理解した上で、ご自分の状況やキャラクターを踏まえて下された判断に異論はありません。

もちろん、通院頻度や回数も同様です。

それを私が可能な範囲で補えば良いだけです。

私には、勤務時代から約10年診させて頂いている患者様が何人かいます。

「10年も通っていて、良くならないのか」

ご夫婦間や周囲から、上記のように冗談ながらに揶揄される場合もあるようです。

少なくとも私は、各患者様がどれだけの時間とお金・労力を費やして、今の状態を手に入れているのかを知っています。

人生に確実なものなんて無いと思いますが、頂いた信頼相応のものは返すべきだと私は考える性格です。

「こりで通院しても意味があるのかないのか」

私には決められません。

ある人にはある。

ない人にはない。

と思います。

それが現時点での当院、私の力量になります。

「こり」で受診をご検討中の方は、この点にご留意頂けたら幸いです。

矜持整骨院
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