有名だからと「腰痛」「股関節痛」の原因にされてしまいがちな腸腰筋
腰痛・股関節痛の原因として名前が上がりやすいのが腸腰筋(ちょうようきん)です。でも、腸腰筋が関わっていても根本原因では無いケースも沢山あります。腸腰筋を知ることでご自分の腰痛や股関節痛に対して正しいご理解をして頂く一助になれれば幸いです。
腸腰筋とは
腸腰筋は「大腰筋(だいようきん)」と「腸骨筋(ちょうこつきん)」の2つを合わせた左右に1つずつある筋肉の名称です。大腰筋は腰⇄太もも、腸骨筋は骨盤⇄太ももにかけて存在しています。大腰筋が縮めば腰⇄太もも間が、腸骨筋が縮めば骨盤⇄太もも間の距離が近づく為に「腰を屈める」「足を持ち上げる」「あぐらをかくように股関節を外に開く」役割を担っている筋肉の「1つ」になります。
腰痛と股関節痛と腸腰筋の関係
前述のような役割を担っているので、腰やおへそと太ももが近付くような動作に支障がある腰痛や股関節痛の場合には「腸腰筋が縮みにくい」→「働きにくい」状態が推測できます。逆に「腰を反らすと痛い」「足を後ろに上げると痛い」「歩いている際に股関節の前面が痛い」場合には「腸腰筋が伸びにくい」ことが“1つの可能性として“想像できます。
腸腰筋が原因かどうかの特定方法
腸腰筋が根源かどうかは、「体全体を包括的に診て判断するするべき」です。前述の状況と「押して痛い」「押すと硬い」圧痛だけでは証拠として不十分です。なぜなら、経験が浅い方ほど「押し方が雑なので」正しい評価が出来ません。「腸腰筋が縮むべき場面で縮むのか」「腸腰筋が伸びるべき場面で伸びるのか」「尚且つ、押して硬さもあるのか」を踏まえて総合的に腸腰筋のコンディションを把握します。
本当に腸腰筋が真犯人なのか
ここまでで腸腰筋が「原因の1つであることは明確」になりました。次に、本当に腸腰筋が根源・真犯人なのかどうかを特定します。腸腰筋は腰椎⇄太もも、骨盤(腸骨)⇄太ももに存在しています。ここで鍵になるのは「関節の問題か」「腸腰筋か」という見極めです。腰椎の関節・仙腸関節・腰と骨盤の関節をチェックしてこれを見極めます。
根本原因を見誤ることで起こり得るリスク
症状にはストーリーがあり、順序があります。「根本原因を叩く→連鎖的に改善する→現状の症状が快方へと向かう」のが正常です。根本原因を見誤った施術でストーリーを歪曲してしまうとそれが困難になります。本来であれば起こり得ない症状や状態に陥ることがあります。体は本来「ある程度は放っておいても改善するもの」です。いかに、「改善を妨げないで促すか」これが大事で、難しい点だと考え、一人一人の患者様に合った方法をご提供するようにしています。
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