股関節が硬い方は中殿筋が問題?
☑横座りのやりやすさに左右差がある。
☑片足が”内股”や”がに股”だったり左右差がある。
☑気付くとお尻をよく自分で叩いている。
これらに該当する方は中殿筋の硬さを考慮する必要があります。
中殿筋とは
立ったまま「気を付け!!」姿勢をした際の手首付近にある「お尻・股関節の側面にある筋肉です」。骨盤⇆太ももの間に存在しているので、この両者の骨を近付けることで「縮み」、離すことで「伸びる」筋肉になります。
股関節の硬さと中殿筋の関係
左右に1つずしかない筋肉ですが、体の側面にある関係から機能的に「前半分」と「後ろ半分」に働きが分かれることになります。「中殿筋の前部分」が縮むと足を内股に、「中殿筋の後ろ部分」が縮むとがに股になる可能性があります。例えば、「あぐら」は中殿筋の後ろ部分が縮み、前部分が伸びることで起こっています。「あぐらが硬い」場合には、可能性の1つとして「中殿筋の前部分が伸びない」ことが考えられます。
中殿筋は股関節のインナーマッスル
関節は2つの骨が相対する部分を指しており、基本的には両者が凹凸関係にあります。その凹凸関係をまたぐ・繋ぐ様に体の深部から靭帯→インナーマッスル→アウターマッスルが存在しています。深部にあるもの程「安定に」表面にあるもの程「動き」に多く関与する仕組みになっています。中殿筋は、深部から数えると靭帯→小殿筋→中殿筋→大殿筋→筋膜→皮膚という深さに存在している為に、股関節を安定させる機能(インナーマッスル)と動かす機能(アウターマッスル)を備えた筋肉です。
臼蓋形成不全・変形性股関節症と中殿筋
赤ちゃんの時に股関節を患ってしまったケースや経年劣化による変形性股関節症の場合には、「股関節が不安定なので」中殿筋の筋力アップが必要になることがあります。前述の通りに股関節の側面に存在し、安定させる機能を要しているので、中殿筋を縮める・硬くする・働かせることで股関節を外側から「はめ込む」「適合させる」ことが狙いとして言われることがあります。
中殿筋の硬さと坐骨神経痛の関係
中殿筋に硬さが生じると坐骨神経痛と「よく似た症状を呈す」ことがあります。これはトリガーポイントとも言われ鍼灸や整形外科では針を刺すポイントにもなります。当院のように手で施術を施すことも可能で、手で行うにあたっても特別に難しい筋肉ではありません。一般的な坐骨神経痛の原因に中殿筋はなり得ないので、診て下さる先生の知識によっては見逃されてしまい、症状が慢性化しているケースもあります。
中殿筋が主原因かは別問題
ここまで中殿筋について述べてきましたが、骨盤・太ももの位置関係・股関節の可動域・中殿筋の触診を最低限、当院ではそこに全身を考慮して「本当に中殿筋に手を施して良いのか」を判断します。中殿筋は重要な筋肉ですが、あくまでも体の中にある筋肉の1つに過ぎません。
「硬いから伸ばす」
「押すと痛いからほぐす」
「弱いから鍛える」
医学も日進月歩なので、これらの短絡的な考えの時代は過ぎ去っています。誤った部分の施術やストレッチ、筋トレは次なる不具合の原因になり得ます。あなたがお持ちの症状や硬さと安易に結び付けない様にご留意頂けたら嬉しいです。
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