夜間・休日に痛みが出たら、温めるのか・冷やすのか
どのような痛みもなるべく早く、なるべく正しい対処をすることが重要です。
とはいえ、痛みやケガは時と場所を選んではくれません。
大型連休の最中や真夜中だったりすることもあるでしょう。
今回は、そのような際にご自身で可能な対応の仕方についてです。
この記事は、およそ2分で読むことが出来ます。
痛みの種類
痛みは、大きく分けて
・炎症を伴う痛み
・炎症を伴わない痛み
の二つに大別することが出来ます。
炎症の有無の見分け方
①腫れているか
腕や足など左右を比べられる部分であれば、左右を比較してみましょう。
腫れている側は、骨の出っ張りや凹みが不明瞭になっています。
また、皮膚が突っ張ることで皺が少なかったりします。
浮腫みとの見分けは「逆側と比較した際に赤っぽくなっているかいないか」です。
②熱をもっていないか
ご自分の手で触れられる部分であれば、直に肌に触れてみて下さい。
そして、その痛みのある部分と近隣の部分、もしくは逆側の同じような部分を比較してみて下さい。
※手の平ではなく、手の背中側?甲側?と言えば良いでしょうか・・・こちら側で触れたほうが分かりやすいです。
炎症による腫れではなく、浮腫みの場合には熱はありません。
この①②が認められる、もしくは②だけでも炎症があると判断して良いと思います。
炎症を伴う痛みの際にすべきこと
炎症を伴う痛みの場合の原則は
・冷やす
・安静(痛みが増す動きをしない)
です。
この二つの徹底度合いが、後の経過を左右するといっても過言ではありません。
また、この二点はご来院頂かなくても病院に行かなくてもご自身で出来ることになります。
当然ですが、この逆に当たることが避けるべきことになります。
温めて血流を良くしたり、マッサージして血流をよくしたりする行為は、自ら痛みを強くしている行為になります。
また、真冬・真夏に関わらず組織が傷めば炎症が起こります。
冷え性の方でも暑がりな方でも同様です。
真冬なうえに冷え性の方は、冷やす部分以外は厚着をして冷やしてください。
個人的な経験談にはなりますが、
・ぎっくり腰
・寝違え
・足をくじいたなどの捻挫
この二点を直後から徹底するだけで、嘘のように楽になることは珍しくありません。
冷やし方
◎シップを貼るよりもアイスノン・氷のうで直接冷やす事をおススメします。
◎シップはあくまでもアイスノン・氷のうの代用とお考え下さい。
冷やし始めは、「冷たくて痛く感じます」。
※これは正常な反応ですので気にせず続けて下さい。
続いて、温かみを感じたりピリピリしたり感じ方には個人差があります。
※この段階も気にせず、続けて下さい。
最後に「かじかんだ際の様に感覚が鈍くなります」。
※この段階まできたら終了です。
また、皮膚の温度が常温・炎症の温度に戻ってきたらこのサイクルを繰り返します。
そして、各専門家の診察を受けることが一番早く、良くなる方法だと考えます。
※この段階で痛みが無くなっても傷んだ組織が治った訳ではないので油断しないようにご注意下さい。
当然ながら、「かじかんだ際の様に感覚が鈍くなります」の段階までいかない位に厚い衣類の上から冷やしたり、厚手のタオルに包んで冷やしても効果は弱くなります。
また、「何分冷やせばよいか?」という点についても、冷やしている際の室温や気温によって一概に言えません。
一つ重要なのは、「かじかんだ際の様に感覚が鈍くなります」の段階の後に痛みがでたら冷やしすぎで凍傷の危険がある為に即中止して下さい。
また、保冷剤などで代用する場合には霜をよく取り除いて、薄めのハンカチなどで包んで用いるなどして下さい。
冷やすことの意味
突然ですが、
①血色がよくて活発な人
②顔色が青白くて控えめな人
あなたは、このどちらの人の方が代謝が良いと思いますか??
正解は①です。
体が「活発に働いている」と体の中でエネルギーを作るより作り出す必要があるので酸素が必要になります。
話を戻します。
体に何かしらのアクシデントがあり、体の中で血管やリンパ管が傷んで内出血が起きたとします。
幸いにも体内の傷は1ミリだったとします。
でも、内出血やリンパ液は周囲に染みていきます。
傷の周りの健康な組織は、押し寄せてきた血によって酸素を奪われます。
結果、酸欠により1ミリで済んだハズの傷の周囲もダメージを受け、その分だけ回復が遅くなります。
冷やす事で、傷周辺の代謝を抑えます。
代謝を抑えることで、酸欠になるリスクを下げる事が出来ます。
つまり、【傷を最小限に抑えること】が冷やす・アイシングの目的です。
「冷やすと早く良くなる」
というよりも
「余計に長引かせない」
これが、冷やして頂くことの意味になります。
当然ながら、冷やさなかった際のデメリットとしては
「余計に長引かせてしまう」
ことになります。
炎症を伴わない痛みについて
炎症を伴わない痛みの場合には、腫れや熱が認められない状態です。
つまり、先ほどまで述べていた内容と真逆のことをすれば良い訳です。
・温める
・動かす
という2点です。
ここで、一つ注意点があります。
先ほどは、冷やして仮に痛みが無くなっても治った訳ではないのでご注意下さいとお伝えしました。
これは、温めた場合、動かして痛みが無くなった場合も同様です。
先ほどは、冷やすことで感覚を鈍くさせていました。
温めること、動かすことでも神経の性質上「痛みを感じにくい状態」にすることができます。
どちらの場合にも「治す行為ではない」あくまで応急的な方法であることをご留意下さい。
炎症があるのかどうか迷ったら
いざ、自分の体で炎症の有無(腫れ・熱)を調べても分からない方、分かりにくい程度の方もいます。
このような場合には、「過度に動かさない」「温めない」で下さい。
分からなかったら、とにかく温めないで専門家の診察を受けて下さい。
理由は、
「間違って冷やした場合」と「間違って温めた場合」を比較すると後者の方が遥かに悪化し、回復までの時間がかかるからです。
「安静にした場合」と「ストレッチやエクササイズをした場合」を比較しても同様です。
稀に「以前に通院していたところでは、冷やさないように言われていました」
と患者様から伺う事があります。
そのように思われる方は是非、思い出してみて下さい。
「以前の先生も地肌に直接触れて確かめましたか?」
専門家でさえ、「決めつけている」事は決して少なくありません。
熱があったら冷やして無理をしない、無いなら温めて動かす、分からないなら様子を見る。
シンプルに考えて頂いて良いと思います。
アルコールについて
炎症があったらアルコールは控えましょう。
当然ながら、酔いがまわれば痛みは楽になりますが炎症は増します。
また、アルコール以外でも迷われることがあったら「血流が良くなってしまう事は控えて下さい」。
冷やした後にご来院される場合
診察される先生によりますが、診察の1時間ほど前になったら冷やすのをやめましょう。
また、シップも粘着性が強いものは剥がした直後でも触診の妨げになるのでなるべく前もって剥がしておくことが望ましいと考えます。
理由は、【正確な程度・状態の判断】をするうえで【ありのままの状態】をみて頂く方があなたにとってメリットが大きいからです。
皮膚の温度はもちろん、動作の一つ一つがあなたのお身体を診させて頂くうえで重要な情報になります。
それらを基に、傷んでいる組織や程度、状態を判断します。
【痛みがある状態】【症状がある状態】で診察を受けた方が、正確な治療計画がたてられる為に効果が出やすくなります。
炎症を伴っている時はご連絡を
炎症を伴っている症状の場合には、伴っていない時と比較して
・より強い痛みが出ます。
・より生活に支障を来たします。
その反面、
【早期の正しい対応と治療によって早く良くなる可能性が高い】
と言えます。
診させて頂く側としても、慢性に移行する前の方が総合的に治療が容易と言えます。
ぎっくり腰や寝違え、むち打ち、くじいた場合や突き指など・・・
炎症を伴っている場合には、診療時間外や休診日でも可能な限りご対応させて頂きます。(近隣にいない場合や既に飲酒していて正しい判断が出来かねる場合などご対応出来ない場合もありますのでご了承下さい)
理由は、前述の点と私自身が患者時代にそのようにして頂いてきた立場だからです。
診療時間内であればお電話で、診療時間外であれば問い合わせフォームからご連絡下さい。
炎症の有無を迷われている場合には、お電話で問診させて頂き、こちらでご判断させて頂き炎症があるようでしたら可能な限り早く診させて頂くようにします。
※炎症を伴っていない場合には、伴っている時ほど急を要する必要が無いので(当院の場合には長くても1週間は休まない為)、診療時間内にご予約のお電話をお願い致します。
◎手足のケガ
¥2,200 + 材料費(最大¥1,000)+ 松葉杖使用時の一時預かり金 ¥5,000(ご返却時に全額返金)
◎それ以外
初回¥6600 次回以降 ¥5500
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