親指の腱鞘炎(de Quervain disease)と指の腱鞘炎(ばね指)
産後の女性や中年以降の女性に多い腱鞘炎。
起こる部分によっては【ばね指】【ド・ケルバン病】とも言われます。
今回は、そんな特徴のある腱鞘炎についてです。
※腱鞘炎とゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)・テニス肘(上腕骨外側上顆炎)は異なります。
ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)・テニス肘(上腕骨外側上顆炎)についての記事はコチラをご覧下さい→ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)・テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
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腱鞘炎は治るのか?
結論から言うと治ります。
治療法には手術や注射、それ以外の手による治療があります。
今回は、その中で手による治療について述べていきます。
腱鞘炎を疑うべき症状とその箇所
・親指側の手首付近が傷む腱鞘炎をドケルバン病と言います。
・手の平の第3関節付近で起こる腱鞘炎をばね指と言います。
ばね指の場合には弾発指とも言われ、指を曲げたは良いものの【引っかかってしまい】自力で伸ばせない、伸びにくい症状を呈します。
親指の腱鞘炎(ドケルバン病)
筋肉の端の紐のような部分を腱と言います。
ドケルバン病は、「長母指外転筋」の腱と「短母指伸筋」の腱と腱鞘という入れ物?との間で起こる問題です。
このドケルバン病では、引っかかるような症状は出ません。
ハサミをよく使ったり、ハサミで硬い物を切ることが多い方に比較的起こりやすい印象があります。
この部分を伸ばすようにすると痛みが増すため、親指を握るようにしたり、ハサミで切る瞬間に痛みが出ることが多いです。
ばね指
下図のような部分で腱鞘炎が起こります。
前述の通り、指を曲げて拳を作ると自力では指が伸びない・伸びにくい症状で自覚することになります。
下図では、人差し指~小指になっていますが、親指に起こることもあります。
腱鞘炎の治療について
端的に言うと【硬い部分を柔らかくする】ことが重要になります。
そのうえで一番の問題は【どこを柔らかくするのか】という点になります。
上記の図にあるように、問題の腱・筋肉は【症状が出ている部分よりも】遥かに肘寄りから繋がっています。
従って、痛みのある部分だけでなくこの筋肉を辿っていき問題の箇所(硬い部分)を改善する必要があります。
注射をしても再発したり、手術をしても今度は違う指がなったり・・・
ということもあるのですが、注射や手術は痛みのある患部の問題を解消している為に原因が残存していると効果が一時的になってしまうと考えられます。
また、いくつかの筋肉を包み込んでいる【筋膜】になると上図の筋肉だけに留まらず、もっと更に体幹まで繋がっています。
つまり、肩の問題で腱鞘炎が起こっていたりすることもあれば、首や腰が原因の場合の腱鞘炎も実際に存在します。
更に言うと
・この場合の首の問題はどこからなのか
・この場合の腰の問題はどこからなのか
と掘り下げていき、消去法のように問題が疑われる箇所を辿っていくことで原因が分かってきます。
そして、その硬い部分を柔らかくすることが治療になります。
腱鞘炎が治るまでの期間
個人差がありますが、目安は患ってからの期間と同様の日数が掛かります。
あくまでも当院の経験則では
ばね指よりもドケルバン病の方が、比較的すぐに効果を感じて頂けることが多いです。
一回で日常生活で気にならなくなる方もいれば、数か月を要す場合もあります。
腱鞘炎になってしまった際に注意すべきこと
今回の内容で最も知って頂きたいことは、痛みのある部分だけに捉われないで頂きたいということです。
もし、この記事をお読みのあなたの腱鞘炎の改善が今一歩であるとしても全く悲観する必要はありません。
なぜなら、
・原因を探し出せるか
・その原因を解消できるか
の二点の質によって、治療効果は大きく変わってしまうからです。
痛みのある患部だけの治療しか受けていない方。
患部から肘下までの治療しか受けていない方。
流れ作業の様に体幹と手の治療を受けている方。
あなたの腱鞘炎の原因がどこなのかは、診ていない私には分かりません。
あなたの腱鞘炎が良くならない理由も、現時点では分かりません。
しかし、改善が今一歩だとしたら【何かが欠けている】と思います。
それが単純な時間なのか、質なのかを明確に認識して頂くことが治療には大切だと考えております。
腱鞘炎にならない為には
腱鞘炎になる前に「手の浮腫み」「手がパンパンな感じ」を自覚されている方が多くいます。
左図のような浮腫んでいる状態を放置しないことがとても大切です。
温める事が第一選択になりがちですが、「冷やす」ことをお勧め致します。
是非、今回の内容が腱鞘炎の方のお役に立てたら嬉しく思います。
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