腰痛
今から5年前の1年間、毎日帰宅後に自宅前の公園でダッシュや俊敏性を高めるトレーニングと筋トレを一日おきにしていた時期があります。
当時は、恥ずかしながらウォーミングアップもダウンもせずにやっていました。
ある日約3時間運転をしたのをきっかけに、その後約3か月間腰痛で苦しむ事になった私。
「動いていればその内に良くなるのですが、30分座っているとすぐに立ち上がれなくなる」ような腰痛でした。
車を運転する際も15分座っていると痛くて我慢が出来ない為に15分おきに停車し立ち上がっていた程です。
今回はそんな「同じ姿勢をとると痛くなる腰痛」についてです。
目次
腰痛って具体的にはどのような状態?
腰痛は字の通り「腰が痛い」状態です。
つまり、一言に腰痛と言っても実に状態は様々です。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、圧迫骨折、脊椎腫瘍・・・
レントゲンやMRI検査で明らかな腰痛は腰痛の全体的な割合から見ると極少数です。
その裏付けとして、レントゲンやMRIといった画像所見が診断の大きな割合を占める整形外科の先生方が発行されている腰痛の診断マニュアルでは約8割の腰痛が特定不能とも言われています。
『レントゲンに移らない腰痛=筋肉の問題』
と言われる事が多いのですが、もちろんその場合もあります。
しかし、あなたの体を診させて頂く際にはそのような浅い公式では無く、しっかりと見極めさせて頂く事が必要です。
なぜなら、レントゲンやMRIなどでは「構造的な問題」しか発見する事は出来ないからです。
多くの問題が構造的な問題ではなく「機能的な問題」だと考えます。
例えば、電化製品を思い浮かべて下さい。
表立って壊れている部分が見えれば、誰も苦労しませんよね?
しかし、表立った傷はないのに不具合が生じている場合もあります。
腰痛の場合も後者のような状態のものが多いと考えています。
では、レントゲン・MRIは意味ないのか?
結論から言うと、意味は大いにあります。
なぜなら、一つ目の理由は「上記に挙げたような構造的な問題は機能的な問題よりも後が大変」だからです。
中には「触れば分かる」「経験で分かる」という先生もいるでしょう。
しかし、何かあった時に大変な想いをするのは患者様であるあなた自身です。
多くの構造的な問題は、「レントゲン」「MRI」を撮り、専門家が診るだけで分かる話です。
それを面倒と捉えるかどうかは、様々だと思いますが当院では「構造的な問題が否定されてから」でも機能的な腰痛の治療をする事は決して遅くないと考えています。
また、もう一つの理由として「診方によっては」レントゲン検査でも機能的なものを診る一助になる為です。
レントゲンから得られる情報は、「専門知識がない方が見ても明らかな異常」ばかりではありません。
クリニック勤務時代に私も経験しましたが、当初は「何をみて良いのか」も「何が異常なのか」も全く分かりませんでした。
視診と言って、あなたの姿勢などを診させて頂く場合と同様、レントゲンから多くの情報を得る事も私達専門家にとって一つの専門技術です。
つまり、「同じレントゲン」を診てもその方の技量によって得られる情報は様々です。
より良い成果を得る為には、より正確に体の状態を把握する事があなたにとっても我々専門家にとっても重要です。
そこで得た情報を基に治療を進めていくので、最初が疎かでは地図やナビを見ずにドライブするようなもので「行き当たりばったり」の治療になってしまいます。
同じ姿勢をとっていると痛くなる腰痛の場合は
ほとんどの場合で、「構造的な問題はありません」
ですが、あくまでも「腰には」という点に注意が必要です。
私も含めて、同様の腰痛を訴える方の中には「首に問題がある」方は少なくありません。
その異常というのが「ストレートネック」です。
首には本来、横から見た際には弯曲があります。
しかし、その弯曲が浅い・無い場合があります。
これを「ストレートネック」と言います。
女性の方が自覚を伴う割合が高いと思いますが、肩こりや頭痛も事前に自覚されている方も割といます。
冒頭の様な私の場合には、「ウォーミングアップもダウンもせずに」10か月間も無理をしていたのが直接的な原因でしょう。
しかし、当時は20代中盤でありそんな事をしても腰痛が出ない方は決して珍しくありません。
ストレートネックという素因に「ウォーミングアップもダウンもせずに」という直接的な原因が組み合わさって発症した腰痛だったと考えられます。
現に、運動を中止しても、温泉やマッサージで血流の改善を促しても全く効果はありませんでした。
なぜ、腰痛に首が関係するの?
前述の通り、横から見た際に首には弯曲が存在します。
そしてこれは首だけでなく、背中・腰にも存在します。
つまり、横から見た際に背骨が「真っすぐ」という事はオカシイのです。
そもそもこの弯曲は、頭の重さを支えやすくする為に優れた構造になっています。
首の弯曲と腰の弯曲は構造的に同じ形をしています。
体重の1割ほど重さがある頭を支える事は、私達が横になっている時以外は避けては通れない背骨へのストレスです。
首の弯曲が無いストレートネックの場合、その直接的な負担は腰にかかってくると考えます。
もちろん、その逆に腰の弯曲不足が首に関与する場合もあります。
どうやってその腰痛が良くなったか?
先ず第一に、首の治療を受けたことです。
マッサージや電気治療、薬やエクササイズではなく「首の弯曲を取り戻すような」手による治療を受けました。
具体的には、当院で現在提供している【パーマー系のカイロプラクティック】というものです。
また、厳密にはストレートネックは、背中の問題が含まれている事も多くあります。
つまり、前屈み・猫背な状態です。
それらを「手による治療」で機能的に改善していく事にしました。
結果、首由来の腰への負担が軽減すると共に、姿勢が起きてくることで呼吸がしやすくなり、体の代謝を促進する事が出来ました。
血流が良くなり、当然老廃物によって痛みを出していた筋肉の痛みも改善します。
また、もう一つ大きいのがメンタル的な問題です。
当時の心労にも悩まされて塞ぎ込んでいる事が多かった様に思います。
また、なかなか改善しない腰痛により更に気分は落ち込んでいました。
メンタルと姿勢には因果関係があります。
また、血流を悪くしてしまうという意味合いから、腰痛とメンタル的なストレスの関係もあります。
背骨を治療するという事は、背骨の中にある神経を治療する事でもあります。
首や骨盤にはリラックスるする神経である副交感神経、背中には真逆の作用がある交感神経という自律神経もあります。
それらを治療をすることで体の働きが良くなること、姿勢が起きてくること、それと共に気持ちも楽になったことで腰痛は改善しました。
私が自分でしたこと
まず、気合いだけで行動する事をやめました。
毎日の9時間勤務の後に運動、5時間睡眠、結果腰痛で生活に支障が出る・・・という生活は何の自慢にもなりません。
体調を整え、仕事に万全の状態で臨むことは社会人として最も重要だと考えるようになりました。
その一環として、往復4キロの自転車通勤を歩きに変えました。
歩く事は有酸素運動であり、筋トレやダッシュと異なり体に酸素を多く取り入れることで血流改善作用があります。
また、ストレス発散の為に何も予定を入れない日を月に一度は必ず捻出する様にしました。
私の経験からあなたに伝えたいこと
腰痛には、実に様々な要因が複雑に絡み合っている事が多々あります。
満足いく結果が得られていない方は、「治療する側の技量」「あなた自身の問題」のどちらか、もしくは両方の可能性があります。
腰痛を「治す」のは最終的にはあなた自身の体です。
治療では悪い部分を切り取ったり、交換する訳ではありません。
治療ではその体の働きを補助するだけに過ぎません。
具体的には、体の持つ「修復力」を促すように神経の働きを介して代謝を良くすることです。
極端な話ですが、いくらあなたが頑張って通院しても睡眠不足、運動不足、栄養不足、ストレス過多・・・ではなかなか成果は出にくいのです。
腰痛では様々な要因が絡み合っている為、原因を特定する事が困難な為に「原因を取り除けていない」場合が多いように思います。
勘違いされてしまう事が多く注意が必要なのは「自分の体が治す」のを「自分で治す」と置き換えてしまう点です。
「自分で治そうと」自分で勉強し、良いと言われるものを片っ端からやっていく方がいます。
解剖学や生理学、運動学や神経学など基礎から勉強すれば間違えないのですが、いきなり方法論など各論・応用から学んでしまうと浅い知識で更なる悪化を招きます。
だから、専門家と相談し専門家の意見を踏まえて判断して頂く事が好ましいと考えます。
大抵の場合は、基礎から考えていけば簡単に分かること、(経験上、簡単とは言いませんが)心掛け一つで実行できるような事柄が改善の足を引っ張っていると考えます。
今では、月に一度の施術を受けること、歩く事、月に一度は予定を入れない。
これを続ける事で、過去には3か月間15分も座っていられなかった私が、7時間ほどずっと座りっぱなしでも腰痛を感じる事は全くありません。
基本的には腰痛は「良くなるもの」です。
「良くなっていない」場合には、何かが欠如じているハズだと考えます。
是非、あなたやあなたのご家族・ご友人で腰痛にお悩みの方は今回のブログを参考にして頂けたら嬉しく思います。
矜持整骨院
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